以前PSプラスのフリープレイで配信された『マフィア』をプレイしている。ストリートファイター6のランクマッチに疲れたときなどに。
1930年代のアメリカを舞台に、マフィアの幹部として敵対勢力と抗争したり、裏切り者を粛清したりしていくのが主たるストーリー。
いかにもマフィア映画的な展開が続く。観たことないけど『ゴッドファーザー』ってこんな話なんだろうな、と思いながら日々プレイしている。
とにかくビジュアル面の作り込みが素晴らしい。
主人公のトミーはストーリー序盤までタクシー運転手なので、車の運転が主たるゲーム内容になるのだが、古い時代の街並みや、クラシックカーのエンジン音と挙動が没入感を大きく高めてくれる。
正直このままタクシーシミュレーターが続くのも悪くないな、と思ったところでトミーはマフィアの抗争に巻き込まれ、一員として認められ、やがて血で血を洗うバイオレンスな世界に足を踏み入れていくことになる。
冒頭がトミーの回想から始まる物語形式であるせいで、あらゆるシーンが「失敗フラグ」に見え、それが緊張感を生んでいる。
一方で、運転以外のゲームパートの作りは正直言ってけっこう粗い。
敵へのロックオン機能も無い不自由なカメラワークの中、カウンター攻撃を決める必要がある格闘戦。
銃撃戦はごくシンプルなカバーシューター。敵の強調表示などがないため視認しにくく、半ば運ゲーになりがちで、かと言って敵の位置を覚えると今度は作業ゲーになりがち。
最高難易度のクラシックを選択するとエイムアシストがオフになるが、細かいスティック感度の設定が不可能な上に、デフォルトで「手ブレ」があるためエイム難易度が異常に高い。
開発陣がゲームバランスを考慮せずただ機械的にエイムアシストオフ機能を搭載しただけだと思われるので、パッドの場合はオンにすることが推奨。
操作キャラの移動に慣性がかかり、切り返しが遅いため、快適性が低い。リアルではあるのかもしれないけれど。
ゲームオーバー時のロードが非常に長く、SSD搭載PS4(薄型)で30秒くらいかかる。4、5発喰らうとやられる最高難易度でこのロード時間は正直かなりキツイ。
レースパートのクオリティは良好で、クリア目指して試行錯誤するのが楽しかったけど、ただただ真っ当にリアル寄りのレースゲームをやらされるだけで、ゲーム的な演出・ギミックが乏しい点はちょっと不満足。
と、書きながらWikipediaを見て知ったんだけど、このゲーム、2003年に出たゲームのリメイクだった。グラフィックが良すぎて気づかなかった。じゃあゲーム性が古くても仕方ない。ロードは流石にもうちょっと早くしてほしかったけど。
激推ししたいゲームという感じではないが、ゲームとしてのクラシックさと、禁酒法時代のアメリカという舞台設定のクラシックさ、2つのクラシックをじっくり味わうのはなかなか悪くないゲーム体験。
ミッションの合間にただただ目的地に向けて安全運転で車を転がしているときの「チル感」は他のゲームではそうそう味わえない。