rh日和(仮)

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

オープンワールドゲーム散歩日記 『マフィア コンプリート・エディション』編

 ゲーム『マフィア コンプリート・エディション』の話。いかにもシリーズ物みたいなタイトルを付けてみたが今回が初めてだし、シリーズ化する予定も全く無い。

 自分には「クリア済みのオープンワールドゲームを無目的に散歩する」という癖がある。そう珍しいプレイスタイルでもないとは思う。癒やし効果抜群なので疲れたときにやってみてほしい。

 今回はその散歩を先日クリアしたマフィアで行った。



 本作のメインストーリーではマフィアの幹部として流血に次ぐ流血沙汰をくぐり抜けることになるが、マップを自由に散策できる「フリーライド」モードでは、平和な街でタクシー業に勤しんだり、まったりコンプリート要素を埋めたりすることができる。もちろん(?)マフィアらしく警官相手にドンパチする「自由」もあるが。

 舞台である「ロストヘブン」は1930年代のシカゴなどをモデルにしているらしい。作り込みは細かく、摩天楼が立ち並ぶ都会から、巨大なダム、港など景観の変化に富んでいる。

 車とバイクは数十種類用意されており、クリア後のイベントでは超ハイスペックなレースマシンで街中で乗り回すこともできる。スピード違反で指名手配されないよう注意。



 しかしこのゲーム、オープンワールドゲームにも関わらずサブクエストがほぼ無いという世にも珍しいゲームとなっている。

 一応隠し要素としてハイスペックな車両を見つけ出すことができるのだが、あくまで隠し要素であってクエストという体にはなっていない。

 さらにランダムイベントで、タクシーで客を目的地に運んでも、(多分)何の報酬もない。そもそもプレイヤーに蓄積されるお金やポイントのような要素が一切無いので、タダ乗せすることしかできない。

 コンプリート要素として、街中に配置された雑誌や、謎のキツネの像を集めることができるのだが、マップに位置を表示する機能は(多分)無く、ごく近くに接近するとミニマップに表示されるだけなので、地道に自力で探さねばならない。一応キツネの像は近くの建物にキツネの落書きが描かれていて多少わかりやすくなっているのだが、目視を強いられることに変わりない。

 それ以外のインタラクション要素が無いため、散歩のやりがいは正直言って乏しい。歩くほどに、せっかく作ったマップがもったいないな、という気持ちが湧いてくる。

 自分の記憶にある限り、ここまで「遊び要素」の少ないオープンワールドゲームは前例がない。狭義のオープンワールドゲームの定義からは外れているのかもしれない。

 本作は2002年に発売されたゲームのリメイクであり、オリジナルにはサブクエストをクリアすることで盗める車の種類が増える要素があったらしいが、リメイク版では完全にオミットされており、すべての車両を初期状態で盗むことができてしまう。



 なぜこんな仕様になったのか。サブクエストを作る開発的な余裕が無かったのか。フルリメイクを謳うために街の作り込みだけは妥協しなかったのか。版権が譲渡されたらしく、制作会社も開発会社もオリジナルから変わっているらしいが、そのせいなのか。あまり日本には情報が入っていないので詳しい事情は分からなかった。

 ちなみにオリジナル版は2021年までMODが制作され続ける程度には根強いファンが存在する模様。

www.gamespark.jp



 遊び要素が少ないから散歩に適さないかというとそうでもなく、かつて悪事を尽くした街の平和な姿を眺めながら「あそこではあんなムチャクチャをやったなぁ」などと振り返るのは、引退後の老マフィアにでもなったような気分で、必ずしも悪くはない。

 ただ建物や施設がほぼ入れなくなっているのは残念。建物内にあるコンプリートアイテムは、メインストーリーをチャプターセレクトでやり直して集める必要がある。

 フォトモードも無い。画面をモノクロにする機能はあり、マフィア映画の雰囲気を出せるが、通常のプレイには適していない。

 散歩おすすめ度は景観の良さを加味して10点中4点、といったところか。ちなみに現状自分の中の10点は『デスストランディング』と『マーベルズスパイダーマン』。

【PS4】マフィア コンプリート・エディション

【PS4】マフィア コンプリート・エディション

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