PS4・PS5向けに配信された『グランブルーファンタジー リリンク』体験版をプレイ。
開発が長引いたことで不安もあったけど、フタを開けてみたら予想をはるかに超えるハイクオリティ。めちゃおもろし。参りました。
遊べばその良さはすぐわかるハズなので「今すぐプレイしてくれ」としか言いようがないんだけど、よかったと思う点を挙げていきたい。
- グラブルの良さは王道JRPG感
- 基本アクションの気持ちよさ
- 個性豊かなキャラごとのアクション
- 原作再現も満点
- ダイナミックな戦闘システム
- 誰でも推しキャラを見つけられるハズ
- むしろ期待しすぎないよう気をつけている
グラブルの良さは王道JRPG感
自分の原作『グランブルーファンタジー』のプレイ歴は2019年頃から3年くらい。十天衆全員をレベル110以上にする程度には、そこそこやりこんだつもりではある。
満足できる程度に遊ぶには結構時間がかかるので、最近はやりこみ要素の部分にはタッチしなくなったが、イベントシナリオなどは今でもチェックしている。
グラブルの良さは「古き良きJRPG感」を継承しつつ、現代に通用する世界観やシナリオを、スマホおよびブラウザゲームとして展開している点だと思っている。
そのグラブルが家庭用ゲーム機向けのアクションRPGリリースすることに、ある種の感慨を覚える。一周回って先祖返りしてきた、というか。
しかし開発期間が伸びに伸び、最初の発表から発売までに8年が経過。今年2月にようやく発売にこぎつけた。
期待と不安でいっぱいだったが、体験版を実際にプレイしてみると、そんな不安をブッ超えるような、大いに期待が高まるものだった。
基本アクションの気持ちよさ
まずなんといってもアクションが気持ちいい。
敵を攻撃してダメージを稼ぎ、敵からの攻撃はしっかり見極めて回避する、というベースのアクションがよくできている。
敵のスキをうかがって攻撃を差し込むタイプのゲームではなく、ひたすらコンボを繋ぎながら敵の攻撃をタイミングよくしのぐ、という爽快感重視のアクション性になっている。
エフェクトも最新ゲームにふさわしく派手でカッコいい。アビリティや奥義の演出がバチバチにキマっている。
敵の攻撃は回避やガードで防ぐ。敵の攻撃タイミングが地面に円状の光が広がることで表現されるなど、視覚的にわかりやすくなっており、回避やガードを狙いやすい。
敵の攻撃をタイミングよく回避・ガードすることでジャスト回避・ジャストガードが発生。効果音が気持ちよくてムダに狙いたくなってしまう。
個性豊かなキャラごとのアクション
キャラごとのアクションも多彩かつ豊富。
剣や槍で近接タイプのキャラと、銃や魔法で戦う遠距離タイプのキャラとでは、立ち回りからガラッと変わり、まるで別のゲームのようなプレイフィールになる。銃キャラでもいわゆるエイムは必要なく自動で相手を狙ってくれる。ロックオンで部位を狙うことも可能。
同じタイプのキャラでもそれぞれコンボルートなどが異なり、カウンター技が得意なキャラや、空中戦ができるキャラもいるなど性能面でも個性がある。やりこみがいがありそう。
アクションが苦手な人でも、移動と攻撃以外を自動でやってくれる「アシストモード」や、ほぼすべてのアクションを連打だけでやってくれる「フルアシストモード」がストーリーモードで使えるので安心。
原作再現も満点
いわゆる「キャラゲー」としての出来栄えも素晴らしい。これはもう百点満点以上。多くのグラブルプレイヤーが歓喜しているハズ。
原作では2Dの戦闘画面で動いていたキャラたちが、3Dグラフィックで生き生きと動き回る。
ストーリー中は1枚絵だったキャラたちが、あのアビリティや、あの奥義を使って、ドハデに立ち回っている。
奥義チェイン時に、次にチェインするキャラの名前をボイス付きで呼ぶのだが、ゼタがシャルロッテのことを「シャル姐」と呼ぶ、みたいな今まで明かされていなかった設定が垣間見えたりするのもたまらない。
チェインバーストを決めたキャラがユニゾンで技名を叫ぶのも、良い意味でケレン味があって最高。まるで戦隊モノの決め技のような高揚感。その掛け声、どこかで練習したの? などとゲームのお約束にツッコんではいけない。
バトル中にコンボやジャスト回避を決めると、他のキャラが褒めてくれたりするのだが、それが汎用セリフでなく、お互いのキャラに応じた固有の内容になっている。作り込みがスゴイ。
ダイナミックな戦闘システム
バトルシステムもよく練られている。
敵に一定数攻撃を当てるとスタンゲージが増えていき、最大になると「リンクアタック」という強力な攻撃をしかけることができる。
リンクアタックを含む様々な行動により「リンクカウンター」のパーセントが上昇。
100%の時に全員でリンクアタックを当てると「リンクタイム」が発動、敵がスローになったりアビリティのクールタイムが短くなるため、一気に攻め立てることができる。
さらに原作から引き継いだシステムとして「オーバードライブ」と「ブレイク」がある。
敵に攻撃を続けると、敵が「オーバードライブ」という強化状態に入り、攻撃が激化する。
さらに攻撃を続けると敵が「ブレイク」しダウン状態になるため、一転してこちらの攻撃チャンスへと変わる。
これらのシステムのおかげで、攻撃と回避を繰り返すだけにならない戦闘のダイナミズムが生まれている。
なによりリンクシステムは仲間と共闘してる感の演出に大きく役立っている。
バラバラに戦うよりも、1体の敵を狙ったほうがスタンゲージが溜まって有利になるし、タイミングを合わせてリンクアタック当てるのもものすごい「やってる感」がある。
オンラインプレイは特に盛り上がりそう。ソロプレイでもAIが優秀なNPCが3人一緒に戦ってくれる。
誰でも推しキャラを見つけられるハズ
自分は体験版ではナルメアというキャラばかり使っていた。
原作グラブルをやっていたときは、主人公を甘やかす姉キャラ、という印象しかなかった。
しかし格闘ゲーム『グラブルVS』をプレイしてその印象が180度変わった。
カッコいい。カッコよすぎる。
かわいいお姉さんが、戦うときはクールに刀を振り回す。そのギャップにやられた。ズルいって。好きになるって。
そんなナルメアの魅力がこのリリンクでも120%発揮されている。
広範囲の居合斬りモード「源氏」と、単体攻撃特化の連撃モード「神楽」の2つを切り替えながら戦う。光る蝶が舞う演出がまた美しい。
ついでに操作の難易度もVSから引き続き結構高い。しかしリリンクにはアシストモードがあるので、誰でもカッコいいナルメアお姉ちゃんを操作できてしまうのである。ありがとう。ありがとう。
他にも本作には剣士、騎士、魔法少女、ゴツい爺の格闘家など、様々なキャラクターが登場。ファンタジーゲーム好きなら自分の好きなキャラが一人は見つかると思う。
ナルメア ロックゴーレム シングルプレイ 3分切り S++達成。
— rh (@rhbiyori) 2024年1月17日
攻略情報ほぼ見ないで(シャルとヨダの火力高いのは見た)やったので大変だった。多分10時間くらいかかった。下手だから背水維持できねーと思ったけどガッツつければ良いことに気づいてタイム縮んだ。#リリンク pic.twitter.com/bFIkCWBHYx
体験版のクエストモードには3つのクエストがあり、クリアタイムを縮めたりダウン回数を減らすとクリア評価が上がる。
3つの内いちばん難しいクエストで最高評価のS++を取るのはかなり大変。おそらくそうなるように所持ジーンなどが絶妙に調整されていると思われる。
操作や編成を最適化していくのが楽しくて、ついついやりこんでしまい、ようやくクリアできた。おそらく10時間ぐらいかかっただろう。まさかこんなにやり込めるとは。体験版でこの調子だと本編でどれだけ時間を吸い取られるかわからない。
むしろ期待しすぎないよう気をつけている
ここまでべた褒めしてきたけれど、当たり前のこととして、まだ体験版なので本編がどうなるかは未知数。
確かなことは「事前の期待を大きく超えてきた」ことと、「アクションと原作再現度が非常に良い」という2点。
本編ではストーリーモードと、育成要素であるクエストモードが主軸になるとのことで、そのあたりの出来次第で評価が決まってくるだろう。
主にカメラ周りやUI、キーコンフィグなどに気になる部分もそれなりにあったが、そのあたりは本編およびアップデートで改善されていくことを期待している。
ストーリーモードの想定プレイ時間は20時間ほどになるとのこと。
原作グラブルと同様であれば、おそらく分岐の無い、いわゆる一本道のシナリオになるだろう。マップもオープンワールドではないため、ややクラシカルなゲーム体験になるかもしれない。
近年の原作グラブルのストーリーはプレイヤーに好評なものも多く、クオリティ自体は問題ないハズ。
クエストモードにはエンドコンテンツを用意していると明言されているが、具体的にどれほど遊べるかは不明。
さすがに似たタイプの超大作などと比べてしまうとボリュームは物足りなく感じてしまう可能性はある。
あくまでシリーズ第一作であるため、あまり期待を大きくしすぎないようにしてはいる。逆に言えば期待が大きくなるほど体験版が面白かったってことなんだけど。
本作リリンクは、原作グラブルファンのみならず、JRPGが好きな人、協力マルチプレイアクションが好きなゲーマーなどには確実に刺さるものがあると思う。スマホゲーム原作という色眼鏡を外して一度プレイしてみてほしい。より多くのプレイヤーにグラブルの魅力が伝わるといいな、と原作ファンとして思っている。