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映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーローを観た感想

 映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』を観た感想。


 冒頭からセルルック3Dでキビキビ動くので目が楽しい。なにげない動きが細部まで作り込まれており、「絵が動く」というアニメ作品ならではの原初的な快感が味わえる。

 ストーリーのプロットは、原作のセル編を、映画向けに非常にわかりやすく整理したような内容。

 本来は善の心を持つロボットが悪人に操られている、というテーマは鉄腕アトムあたりから変わらないクラシカルなもの。

 作品によってはそこで板挟みの悲哀を描いたりするわけだが、本作はドラゴンボールらしくウェットな描写は無しで、わりとアッサリ心変わりして共闘することになる。制作陣は作品の色をよくわかっている。



 映画の内容を一言で言えばピッコロと悟飯のパワーアップイベント。

 その方法も、ピッコロは今更感のある神龍による潜在能力解放(その神龍までもがものすごくイージーな工程により「アップグレード」する)、悟飯は怒りによる覚醒というセル戦と全く同じステップを踏む。特段の新奇性はない。

 ヒーローが2人という構成も、グレートサイヤマン(アニメ版の悟飯+ビーデル)との既視感あり。

 悟空、ベジータ、ブロリーの修行シーンに関しては、全作『ブロリー』からストーリーを追っている視聴者への説明シーンであり、単体の映画として観たときは「人気キャラの顔見せ」以外の意味は感じられない。



 そういった諸々込みで、シリーズファン向けの映画としては満足できる内容。映像の迫力も申し分ない。

 新奇な作品を求める人は先日発表された新アニメシリーズの『ドラゴンボールDAIMA』を見てください、という制作者のメッセージを言外に感じた。