rh日和(仮)

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

Steamの和風ステルスアクション『Aragami』をプレイ

f:id:rhbiyori:20191210223807j:plain
https://store.steampowered.com/app/280160/Aragami/?l=japanese

 和風ステルスアクションゲーム『Aragami』をプレイした。

 赤い頭巾を被った忍者風の主人公「アラガミ」は魔術的な力(和風に言えば「呪い・まじない」といったところか)によって召喚された復讐の霊。影を操り影へ移動する能力を持っている。


f:id:rhbiyori:20191211131659j:plain
https://store.steampowered.com/app/280160/Aragami/?l=japanese
 敵に見つからないよう目的地を目指す、ステージクリア型の三人称ステルスアクション。

 アクション面での最大の特徴は一定距離内にある影へ瞬間移動するワープが使用可能なこと。敵の視界を避けるのに役立つ他、一気に敵の背後に回り込んで仕留める、なんてことも可能。あちらは一人称だが『Dishonored』にあったブリンクの能力に近い。

 また任意の地面に影を設置し、そこにワープすることもできる。さらに影の中にいる間はカムフラージュ率が上がり敵に見つかりにくくなるなど、「影の能力者」としての設定をうまくゲーム性に落とし込んでいて秀逸だし、ヒーローチックでカッコいい。

f:id:rhbiyori:20191211131738j:plain
https://store.steampowered.com/app/280160/Aragami/?l=japanese
 そんなアラガミの弱点は。行灯などの強力な光源に近づくとワープや影設置に必要なパワーが無くなってしまう。

 さらに登場する敵はザコキャラに至るまですべて光の技を習得しており、アラガミを発見するや否や光の矢や光のソードビーム的なもので攻撃してくる。それらはすべて当たると即死。光だけはカンベンな。

 ステルスアクションゲームのお約束として敵の探知能力や行動パターンはそれなりにおバカに作られているが、攻撃ヒット→即死のシビアさと、狭めのステージにわりと敵が密集している配置になっているため、難易度はそれなりに高く歯ごたえがある。

 この作品が第一作目の新興スタジオによる作品らしく、大作ゲームと比べてしまうとボリュームや作り込みの面でのプアーさが無いとは言えないが、これと言った大きな欠点は見当たらず、ステルスアクション好きなら誰でも楽しめる出来に仕上がっている。


f:id:rhbiyori:20191211131818j:plain
https://store.steampowered.com/app/280160/Aragami/?l=japanese
 和風描写がかなりしっかりしており、スペインのメーカーということを感じさせないほどキッチリ日本文化を研究して作り込んだであろう努力が伺える。そこはかとなく中華テイストが混じっていたり、1ステージだけ国籍不明のお城が登場したり、ムービーシーンの殺陣の動きが完全に西洋の片手剣のモーションだったりするが、そもそものベースはファンタジーなのであまり気にはならない。

 いわゆる洋ゲーにありがちな人物造形のクセもあまり感じられず、平たく言うとヒロインが結構かわいい。ディズニーヒロイン的な方向性で。

 ストーリーは多少ひねりはあるものの王道展開で、個人的にはかなり好き。少年漫画の読み切り作品のような読後感だった。


 アクション面では改善して欲しい点が結構ある。例えば敵をステルスキルする際、ちょっと長めのカッコつけたモーションを取るため他の敵に見つかりやすい。しかも「主人公が影の中、敵が影の外」という立ち位置でステルスキルをしても、わざわざ主人公が影の外へ歩み出てしまう。そこは能力者らしく影の中に引きずり込むような技を使って欲しいところ。モーション作るのが難しいんだろうけど。

 ステージ中のどこが影でどこが影じゃないかが視覚的にわかりにくい問題もある。敵に見つかってワープで逃げようとしても影が見つからずバッサリやられる、なんて場面が何度もあった。

 ゲーム性全体に関して言うと、基本的な流れは「通路を塞ぐ光の壁を消すため、ステージ内にある水晶を壊して先に進む」のが繰り返される。水晶の位置と距離はいつでも確認できるが、マップやレーダーの類は無いため、初回プレイはステルスというより探索がメインになる。純粋なステルスがやりたい人はちょっと気になるかも。やや周回プレイの楽しさが減っている原因にもなっている。


 もし次回作があればそのあたりの改善にも期待できるだろう。DLCもあるのだが、存在に気づかずうっかり買い忘れてしまった。次のセールで買おうかな。