気がつけばジャズを作業用BGMとして聴くようになっている。かつてはまかりなりにもロック好きだったはずの自分が。
ハッキリ言ってジャズには何の思い入れもない。しかしだからこそ作業を邪魔せず、神経を刺激せずにほどよくほぐしてくれる。
「興味のない音楽を聴くなんて、お前は音楽を愛していないのか?」と自分を問い詰めたくもなる。でもそんな理想じみた原理主義よりも、作業が大事。作業効率が上がるなら、ジャズだろうがヒップホップだろうがボーカロイドだろうがなんだって聴いてやる。身も蓋もない話ではあるが、聴き始めた動機に下心があるからといって、それで伝説のジャズメンたちが草葉の陰でブチギレたりすることもないでしょう。
そもそものキッカケはYouTubeでChilledCowなどのLofi Hiphopを聴き始めたこと。作業が捗る。よく眠れる。
しかしだんだんと「そもそもなんでミックスされた電子サウンドを聴き続けているんだろう」と感じ始めて他を探し始め、たどり着いたのがジャズ。元々Lofi Hiphop自体、主にジャズなどの音源をサンプリングした音楽なので、いわば先祖返りした形になる。
幸い村上春樹を読んできたおかげで、どのアーティストがいわゆる「定番」とされているのかがある程度頭に入っている。マイルス・デイヴィスのカインド・オブ・ブルーは作業にも向いているなぁ、などと激浅の感想を抱いたりしながら選曲している。
最初はYouTubeで聴いていたが、Amazonプライムミュージックに大量のジャズアルバムがあることを発見したのでそっちで聴くようになった。プレイリストはいろんなアーティストの曲を流せるのは便利だけど、店舗のBGMで流すような誰が作っているのかよくわからない著作権フリーっぽい曲も流れてきてしまうのが欠点。人気の曲が流れるシステムになっていると思われる「ステーション」機能を使ったほうがいい。
名盤とされるものであってもアップテンポなものはやや作業に向いていないが、作業がノッているときはノリノリな曲が気分にシンクロしてくれることもあるので一概には言えない。今のところ、ピアノよりはサックスやトランペットなど吹奏楽器がメインのものの方が好み。
しかしあまりジャズに対しての思い入れが出来てしまうと、気持ちが持っていかれて作業用BGMに適さなくなってしまう可能性もある。悩ましい。思い入れよりも曲調の方が、作業用BGMに必要な条件であるとすれば、そんなに問題は無いのかもしれないけれども。