『ギルティギア ストライヴ』の新キャラクター「ブリジット」がバズっている。布教せねば……(義務感)。
革新的なグラフィック・サウンド・キャラクター
ギルティギアの魅力は革新的なグラフィック、ロックを中心とした迫力あるサウンド、そして個性的なキャラクター。
最新作のストライヴでは2Dと3Dを融合させた斬新なスタイルのグラフィックでCG業界の注目も集めた。3Dなのにどのフレームで止めても絵になる。しかも今作では特殊演出時にそのクオリティのまま高フレームレートにヌルヌル動くようになった。
この技術は他の追随を許さないアークシステムワークス独自のものらしいのだが、なんでも3Dのグラフィックを作った後で、影の描写やモデルの拡大縮小など、かなりの部分を手作業で修正し2Dグラフィック風に仕上げているらしい。ものすごく大雑把に言うと倍の手間がかかっており、アーク的にはこれを「根性」でやり抜いているとの公言している。スゴイ。
過去作の人気キャラクターであるブリジットがこの技術を用いたグラフィックで再登場したこともバズった要因。
サウンド面も進化を重ねており、今作では全キャラクターのテーマソングがボーカル入りに。
ロックを中心に様々なジャンルを取り入れており、著名な楽曲へのオマージュらしき部分も見え隠れする。自分はサウンドトラックをそのまま上質なロックアルバムとして聴いている。
本格アニメによるストーリーモード
ストーリーモードとして、総再生時間が5時間以上の本格的な3Dアニメーションのストーリーモードが収録されている。全編フルボイスで動くのでいわゆる「アニメ」そのもの。
つまり1本のゲームを買うだけで1クール分以上のアニメ作品がついてくる。対戦無しで視聴できるので、格闘ゲームが初めての人でも問題なく楽しめる。
科学の代わりに魔法を使うようになった未来の地球が舞台。友の裏切りにより強力な改造人間「ギア」になってしまった主人公「ソル・バッドガイ」が復讐のため、そして人類を守るために戦うストーリー。
キャラクター名や設定にもロックミュージックからの引用が多数。バッドガイはQUEENのボーカルのフレディ・マーキュリーの愛称で、ソルの本名もフレディだったり。ブリジットに関しても、必殺技の名称「キックスタートマイハート」がアメリカのバンド「モトリークルー」の曲名だったり。
今時ロックというとちょっと古いイメージがあるかもしれないが、あの『ジョジョの奇妙な冒険』も同じようなノリでロックを元ネタにしている。つまり実質ジョジョ(※個人の感想)。
様々な作中用語が登場するが、ユーザー側としてはわりとみんなよくわからないけど雰囲気で楽しめているのであまり気にしなくていい。知らない人のためにあえて極端に雑な言い方をすれば、ロック好きな人が作った「エヴァンゲリオン」みたいなイメージ。
過去作のストーリーが公式からYouTubeにアップロードされている。今作から入っても安心。
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快適なオンライン対戦
オンライン対戦には「ロールバック」という技術が搭載されており遅延(ラグ)の影響を抑えている。これのおかげでアメリカで本作が流行したらしい。西海岸から東海岸くらい距離が離れても対戦が成立する格闘ゲームは画期的だったとか。
ちなみについ先日アメリカで行われた世界大会「EVO」ギルティギア部門には、スマブラの有名プレイヤー「Leffen」選手が出場し好成績を収めた。eスポーツ種目としての注目度の高さをうかがわせる。
格闘ゲームの基本から、ギルティギア 独自のシステムまで学べるプラクティスモードも充実している。過去作よりもシステムの簡略化や操作難易度の軽減が図られているので、昔格闘ゲームやギルティギアをやっていて「難しい」というイメージを持っている人でも今作なら楽しめるかもしれない。
現在DLCのシーズン2が配信開始され、合わせてソフト本体の価格が値下げされた。ブリジットのおかげでプレイヤーも増えている。ギルティギアを始めるなら今がベストと断言していいだろう。
ソフトの種類(エディション)、対応ハードについて
購入するソフトは、安く済ませたいなら先日値下げされた「スタンダードエディション」を購入すればいい。今のところダウンロード版のみでパッケージ版は無い模様。ブリジットを使いたいなら別途でキャラクター単体のDLCの購入が必要。
全キャラクターを使いたいならシーズンパス1が同梱された「スターターエディション2022」に加えて「シーズンパス2」を購入すれば、今後追加されるシーズン2のDLCキャラクターまで全て使用可能になる。
シーズンパス1、シーズンパス2、デジタルサウンドトラック、アートワークなどが同梱された「アルティメットエディション2022」もある。こちらもおそらくダウンロード版のみで、去年発売された「アルティメットエディション」とは別物なので注意。
対応ハードはPS4、PS5、Steam。日本のプレイヤーはPS版、海外のプレイヤーはSteam版が多い傾向にあるのでオンライン対戦したいなら少し注意。
注意点
最後に注意点を書く。「ブリジットが可愛いからなんとなく買ってみたけど後悔した」という悪印象を持って欲しくないので、一種のお節介として。
ギルティギアは対戦格闘ゲームなので、プレイヤー対プレイヤーの対戦をメインコンテンツとして作られている。『Apex Legends』や『Valorant』みたいなものだと考えていただいて差し支えない。
だからといっていきなりオンライン対戦に乗り込むと一方的に殴られ続けて終わる危険がある。特に格闘ゲームは1対1の対戦なのでそれが起こりやすい。
多くの対戦ゲームにつきもののストレスはこのゲームにもある。強くなるにはただ練習するだけでなく知識も必要なのも同じ。プレイヤーのモラルは比較的良いと感じているが、人のやることなので保証はできない。
もし対戦を楽しみたいなら、理想は自分と同じくらいの実力の友達と一緒に始めること。あるいは自分と同じくらいの実力の人の配信を見ながら一緒に上達を目指すというのも今風かもしれない。
もちろん必ずしも対人戦をしなければいけないわけではない。完全なマルチ専用ではないので1人用のモードもある。ただ基本的にはコンピューターと対戦するか1人で練習する内容。ソロ専用のゲームと比較して充実しているとは言い難い。
ちなみに筆者はオンライン対戦なんてものが生まれる以前、ひたすら家庭用でCPU戦やトレーニングモードをプレイしていたが、それは上手くなってゲームセンターでの対戦を楽しみたいというモチベーションがあってのこと。
格闘ゲームはそういうモチベーションを自分で見つけ出す必要が多めなジャンルのひとつ。いきなり「対戦で勝ちたい」という大きい目標を立てると辛いかもしれない。「このキャラを上手く動かせるようになりたい」でもいいし、「なんとなく操作してるだけで楽しい」でもいい。 誰かのプレイを見るとそういう気持ちが高まりやすい。
最近の自分のモチベーションは「大会観戦を楽しむための知識を仕入れるために対戦する」のがメインになっている。格闘ゲームに限らない話だけど、知っているゲームの大会の観戦は本当に楽しい。