rh日和(仮)

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『グランブルーファンタジー ヴァーサス ライジング』ベータ版からのシステム改善案を勝手に考える

グランブルーファンタジー ヴァーサス レジェンダリーエディション - PS4

 先日ベータ版をプレイした『グランブルーファンタジー ヴァーサス ライジング』のことをまだ考えている。

 こうすれば面白くなるんじゃ、とか、ここが良くないんじゃないか、とか。

 おそらく制作者の方々は自分の数十倍の量の「こうすれば面白くなる」について考えているはずで、いちプレイヤーの自分が案を出しても99%以上は役に立たないハズ。プロスポーツ選手にやじを飛ばす観客と同じ程度の効果しか上げられないだろう。

 でもまぁ勝手に自分のブログに書くくらいのことはやっても許されるだろう。ひとりでぐるぐる考えるのも疲れるし。



 まず前作グラブルVSのゲームシステムの問題点はなんだったか。

 1つ目は、前に出る行動が弱いため、相手に近づくことがむずかしく、じりじりした立ち回りになりがちだったこと。

 この点はベータ版では新システムのダッシュ攻撃とアルティメットアビリティ(UA)によってある程度改善されていた

 UAのキャラ格差や、ゲージ消費のためにUAを使いにくいという別の問題は生じていたが、そこはバランス調整で直せそうな問題に見える。



 2つ目の問題点は、「仕込み投げ抜け」というテクニックが強すぎて相手を崩しにくかったこと。

 特に主要な崩し手段が投げであるキャラクター同士の対戦は、仕込み投げ抜けの応酬、というワンパターンな展開になりがちだった。尻餅ヴァーサス。

 仕込み投げ抜けによる防御は強力だが、成功させるには細かく素早い入力が必要。

 また攻撃側は投げをまじえつつ、相手の投げ仕込み打撃や投げ仕込み避けのタイミングを読んで打撃で崩す必要があった。

 いずれも難易度が高く、初心者向けとは言い難い。初心者向け格闘ゲームを標榜するタイトルには特に不向きなシステムだったと思う。



 理想的には、前作の間にアップデートで仕込み投げ抜けを無くす調整をすべきだったと個人的には考えている。

 しかし実際には、仕込み投げ抜けにペナルティを持たせるという調整はあったものの、テクニック自体はそのまま残された。

 おそらく全体のバトルバランスが仕込み投げ抜け前提になっていたので、いきなり消すと影響が大きすぎるという判断だったのだろう。

 新作になってようやく仕込み投げ抜けに手が入った。単に仕込み投げ抜けを削除するのではなく、投げ抜けの猶予時間を非常に長くする調整により、そもそも仕込み投げ抜けをする必要性が無くなっていた。

 しかし同時に崩し技としての投げの性能は大きく低下してしまった。

 仕込み投げ抜け削除のためと言うよりも、投げの代わりの崩し技として、新システムのレイジングストライクを使って欲しい、という調整意図なのだろう。

 なおトリプルアタックからの中下段という新システムは、リターンが低くおそらくファジーガードで防げるため、ほとんど崩しになっていない。



 そのレイジングストライク。

 少なくともベータ版をプレイした限りでは、面白みを見出すまでには至れなかった

 現状のレイジングストライクは、無駄に複雑なわりに、ブレイブカウンターを理解している相手にはほぼカウンターされるため、単なるゲージのやりとりになりがちで、退屈なものだった。

 防御側がリターンを取る方法が、画面を確認せず回避、という地味かつ運任せな手段が主なのも良くない。

 もちろん製品版でやりこめば面白みを発見できる可能性はある。何を面白いと感じるかは人それぞれでもあるし。



 しかしそもそもの問題として、はたして投げを弱体化した上で「投げよりも強力だがゲージを使えば防げる崩し技」を、初心者向けを標榜するグラブルVSに導入する必要があったのだろうか? そこのところがかなり疑問である。

 初心者向けにしたいなら、シンプルな打撃と投げの択を仕掛けられるゲーム性の方が、既存の格闘ゲームと同じで直感的にわかりやすいのではないか。

 しかも前作にはその読み合いにうってつけの「オーバーヘッドアタック」というシステムがあった。

 前作のバランスのまま仕込み投げ抜けだけを削除すれば、遅らせ投げ抜け読みのオーバーヘッドで崩す、というシンプルな読み合いができた可能性が高い。

 さらなる調整案として、相手のオーバーヘッドを読んで回避をすれば確実に反撃可能。しかし回避は投げに負けやすい。という方向に調整すれば、読み合いの手数を増やすこともできる。

 回避に成功したら画面停止演出が入って簡単に反撃できる、というようなシステムで、より初心者向けにすることもできるだろう。

 しかしオーバーヘッドはベータ版ではレイジングストライクと入れ替わる形で削除されてしまった。



 どうもレイジングストライクからは「新作だから前作とは違った読み合いを導入したい」という意図が感じられる。

 しかし「新作だからこそ、よりわかりやすく読み合いを整理する」という方向性もあり得るんじゃないだろうか。

 そう考えれば、いっそのこと投げを完全に削除して、ゲージ消費なしのレイジングアタックで崩し合うゲーム性にする、というような方向性もあり得るだろう。



 ベータ版ではキャラクター性能が全体的に弱体化していた。崩し手段をレイジングストライクに一本化しようという意図だろう。

 そのわりにコマンド投げや上り中段という崩し手段が残っており、前作で投げが崩しの主体だったキャラとの格差が生まれてしまっていたのは、単純に調整不足を感じる。

 また、強力な攻めを減らすことで、初心者が防御側に回って理不尽に負けるようなことを無くそうという意図も感じられる。。

 しかしほんとうに初心者を楽しませたいなら、むしろ「これを出していればとりあえず戦える」というような強力な技を各キャラクターに持たせるほうが、戦いやすくなるのではないか。

 現状のバランスだと、じりじりと相手の様子をうかがう上級者に対して、初心者では手も足も出ないだろう。



 と、一通り思うことを書いてみたが、事前に自分で予想した通り、明らかにここまで書いたことはストリートファイター6のシステムの影響を受けている。

 本当は、レイジングストライクをアーマー付きのガード不能技にすればよいのでは、とか、ゲージを使ってレイジングストライクを防げるスーパーガードを導入すれば、と書きたくなったところを、なんとか自制したものの、それでも随所で初心者向け格闘ゲームとして大きく成功したスト6の影がチラついている。

 もはや大半の(主に2D)格闘ゲーマーは、スト6の成功を念頭に格闘ゲームのシステムを捉えるようになってしまっている。良くも悪くも。

 実際のところストリートファイター6成功の要因は「初心者でも楽しめるゲームシステムを作り上げたこと」もあるにはあるが、どちらかと言えば「初心者でも楽しめることを上手く宣伝できたこと」の方が大きいと見ている。

 もちろん、実際にモダン操作などによって初心者をつなぎとめることに成功しているわけで、ゲーム内容の方も良く出来ていることは間違いないのだけれど。

 グラブルVSにもなんとかその後に続いてもらいたいと願っている。