rh日和(仮)

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

スト6日記 モダンタイプ操作はズルいのか、強すぎるのか、という問題について考える

【PS5】ストリートファイター6

 『ストリートファイター6』の話。モダンタイプ操作はズルい、という意見が一部で出ているらしい。

 はたしてモダンタイプはズルいのか?

 まず正論だけで言うならば、全然ズルくない。もう、びっくりするぐらいズルくない。

モダンタイプは誰でも使えるので平等

 その最大の理由は、モダンタイプは使用制限が無く誰でも使えるから。完全な平等である。

 もしも別途に課金した人しかモダンを使えない、みたいな仕様があったとすれば、ズルいと言う余地があるかもしれないが、実際はそんなことはない。自由に操作タイプをモダンとクラシックから選択できる。そこに何の制限もない。

(今のところ)モダンが強すぎるという評価は無い

 対戦バランスという観点から見ても、モダンにはモダンの弱点や難しさがある

 今のところクラシックと比べてモダンが明らかに強いという意見はほぼ無い。むしろ「モダンでも強いキャラがいくつかいる」という程度の評価に留まっている。もちろん対戦ゲームなので、今後の研究で変わる可能性は大いにあるけれど。

やりこむほどモダンは難しい、と思う

 ワンボタン必殺技やアシストコンボは、確かにコマンドやコンボを大幅に簡単にしてくれている。

 しかし立ち回りの幅をより増やそうとすると、とたんに難易度は上昇する。特にアシストボタンの挙動にかなり癖があり、相当な慣れが必要だろう。

 実際自分も、プレイし始めた時はモダンタイプのキンバリーを使っていたけれど、操作が難しくて使いこなせさそうだという理由でクラシックタイプに切り替えている

 格闘ゲームの熟練度を0から100で表すなら、モダンは0から40くらいまでは誰でも比較的簡単に到達できる。そのまま50や60を目指すこともできるだろう。初心者にとって本当に良いシステムだと思う。

 でもそこからさらに70や80を目指そうとすると、クラシックと同等、もしくはそれ以上の習熟が必要だと考えている。キチンと上級者向けのやりこみ要素も用意されているのである。

 そしてモダンの熟練度100に達したプレイヤーは今のところ世界中でおそらく誰もいない。だからモダンの評価はまだ定まり切っていない。

とはいえ人は感情の生き物

 というとりあえずの正論から書いてみたが、モダンをズルいという人に気持ちもわかる。ひじょーによくわかる。

 例えばストリートファイター2の頃は、ダルシムは腕が伸びてリーチが長いというだけでズルキャラ扱いされていた。

 他にも「待ちガイル」や「当て投げ」などの戦法が、主に強すぎるという理由だけでゲームセンターでの対戦で禁止されていた時代がある。

 格闘ゲームが出始めた頃の方が、ある意味「ズル」という概念に寛容だった、と言えなくもない。

 なにより「文句を言うならモダンを使えばいい」というような正論は、かつてあったような「コマンドやコンボができないなら練習しろ」というスパルタな発想に近いものがある。

 上手い人が偉いわけではない。優劣が決まるのは対戦の結果だけで充分。プレイしているだけでみんな偉い。今はそういう時代に入っていると思う。

人が「ズルい」と感じる理由

 なぜ人がズルいと感じるのか。それは自分だけが辛い思いをしていて他の人が良い思いをしていると感じるからだろう。

 クラシックの自分はがんばってコマンドやコンボを覚えたのに、モダンの人は楽をしている。そんなのズルい、と。

 哲学用語でそれを「ルサンチマン」と読んだりする。そして哲学者であれば、楽して良い思いをするのは全然悪くないからどんどんやったらいいよ、と言うかもしれない。

 でもそういう人を言葉で動かすのは簡単じゃない。「モダンはズルい」という人は、「ズルいからモダンは使いたくない」と言うだろうからして。

 実際、楽をしている、ということ自体は確かに事実ではある。そしてそれを悪と考えるかどうかは個人の価値観の問題でしかない。



 なので、他になにか出来ることがあるとしたら、それ以外の、例えば初心者の人に「モダンはズルくないよ」と言い続けるしかないだろう。

 実際にプレイするほど、最初に書いたような意味でモダンはズルくないということがわかるハズ。新しいことをわかるようになるのは、基本的には良いことだと考えている。