rh日和(仮)

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グラブルのイベントストーリー「Unbound Asterism」の激重百合展開を見て感情がぐちゃぐちゃになった話

 『グランブルーファンタジー』のイベントストーリー「Unbound Asterism」を見た。衝撃的すぎてまだ頭の整理が追いついていない。とりあえずなにか手を動かしたくて気がついたら戦貨ガチャを50箱近く開けるくらいクエスト周回していた。

granbluefantasy.jp

 なにがそんなにショッキングだったかというと、主にクピタンとトリステットの結末であって、一言で言えば「百合」なのだけれど、それが単なる百合ではなかった。


 まず二人の生い立ちが激重。このイベントが重めのテーマが基調のシリーズだからこの二人に限ったことではないのだけれど、大変ヘビィでシビアな環境で生まれ育っている。

 そんな二人は幼い頃に出会い、徐々にお互いに対して愛とも憎しみともつかない共依存的な感情を抱くようになっていく。

 悪の組織から逃れる2人は刺客を手に掛ける。トリステットは殺人という重荷をクピタンに背負わせないために、クピタン自身が持つ特殊な能力を使ってクピタンの記憶を消した後、クピタンの元を去る。

 成長した2人。組織に戻って幹部となっていたトリステットは、彼女の悪行を止めるべく追い続けてきたクピタンの元に現れ全てを明かす。

 そして決闘。お互いの持つ武器がぶつかりあうと、互いの感情が互いに流れ込む。

 全ての力を使い果たし、ぼろぼろになった二人は、互いの感情を確かめ合い、結ばれる。



 この話のなにがスゴかったか。

 まず、一時期は「王道スマホRPG」を名乗っていたグラブルで(王道ってなんやねんというツッコミはさておき)、エロ・グロ・バイオレンス要素ありの百合シーンを全力でやりきったこと。いずれの要素も主に文章上の表現であるにせよ。

 同じようなバイオレンス路線として十賢者のストーリーがあり、重度のヤンデレであるニーアがいるが、そちらがあくまで一個のキャラクターとしてのハード路線だったのに対し、本ストーリーでは二者による双方向の感情と関係性を描くことによって、数段生々しさが増しているように感じられる。

 他のバトル漫画などでは「長年の宿敵同士がやがて愛情に似た感情を持つようになる」というシチュエーションはわりと多く見られる。主に男同士で。

 しかしそれはあくまでも「愛情のような感情」だからこそ風情みたいなものがあったし、見る人も安心して見られた。

 本ストーリーでは、そこに更に踏み込んで「お互いの感情が重すぎてもはや恋愛すら超えている」ような関係を、戦いを通して、しかも女性同士で描いた。

 自分は最近のマンガ・ゲームを良く見ているとは言えない。まして百合物なんて、意図して追いかけたことは一度もない。そんな自分から見ると、これは結構画期的な、エポックメイキングなものなのではないかという気がする。

 そしてなにより二人が結ばれるシーンのスチル絵があまりにも美しかった。今もまだ頭から離れない。グラブルのイベントストーリーはプレイ開始してすぐ誰でも見られるので、気になる方はぜひ自分の目で確認していただきたい。



 正直言って今回のストーリーが自分にとって面白いものだったのか、いまだによくわからない。

 ただ「なんだかよくわからないけどスゴイものを見た」という感情で頭がぐちゃぐちゃになっている。

 自分の心に最も深く刺さったのはクピタンとトリステットの2人のエピソードだったが、これと同じくらいの激重エピソードが、本ストーリーでは並行して3つくらい同時に描かれる。

 とにかくセンセーションにしようという意図が先行しているように感じられなくはないが、ともあれスマホゲームでこれだけの尖ったストーリーを展開できる事自体、素直に称賛すべきことだと思う。ストーリーの続編と、二人の行く末に期待したい。