毎年恒例Steamサマーセールが開催。駆けつけ一杯的なノリで買ったタイトルが「Baba Is You」なんだけど、これがメチャクチャに面白かった。自分好みという意味では今年プレイしたゲームの中で暫定ナンバーワン。海外のみNintendo Switch版も発売されている模様。
2Dのマス目状になったステージでキャラやアイテムなどのオブジェクトを移動させクリアを目指す、いわゆるブロック押しパズルや倉庫番と呼ばれるジャンル。
このゲームが一味違うのは、単語だけが書かれたブロック(状のオブジェクト)が登場し、それを並べて文章を作ることでゲームのルールそのものを変えることが出来るという独特なシステム。
基本的な単語ブロックは「ROCK(岩)」「KEY(鍵)」などの名詞が書かれたブロック、「IS」「AND」などブロック同士を接続するブロック、そして「PUSH(押す)」「MOVE(動く)」などの状態を表すブロックの3種類。
例えば「ROCK」「IS」「PUSH」の順で並べればプレイヤーがステージ内にある岩を押すことが出来るようになり、「ROCK」「AND」「KEY」「IS」「MOVE」と並べるとステージ内の鍵と岩がオートで動き出す。ゲームの中で簡易的なプログラミング言語を記述できるようなイメージ。
実はタイトルの「BABA IS YOU」もゲーム内に頻出するブロックの並び。「○○」「IS」「YOU」と並べることで〇〇に該当するキャラやアイテムをプレイヤーが操作できるようになる。
逆に言うと、この並びを崩してしまうとステージ内に操作キャラがいなくなってしまう。BGMも止まってしまいなんとなくブキミ。
そういったミスをしてしまっても、ボタン1つで時間を巻き戻すことが出来るのでやり直しが出来るのですぐに再チャレンジが可能。
ちなみに「Baba」というのはほとんどのステージで最初の操作キャラになっている白い犬のようなウサギのようななんだかわからない物体のこと。
なぜBabaなのかはプレイよくわからなかったが、英語圏ではよくあるペットの名前とかなのだろう。多分。もしかしたら架空の生き物なのかもしれないけど。
ステージクリアの目的は「〇〇」「IS」「YOU」の〇〇に記述されたオブジェクトで「××」「IS」「WIN」の××のオブジェクトに触れること。もしくは「〇〇」「IS」「YOU」と「〇〇」「IS」「WIN」の記述を同時に行うこと。クリアすることで次のステージが開放されていく。
と、文章で説明すると難しいゲームに感じるかもしれないが、操作そのものは「操作キャラを4方向に動かす」「時間を巻き戻す」「キャラを動かさず時間のみを進める」の3種類のみなので動かすだけならものすごーく簡単かつ直感的。
パズルとしての難易度はステージが進むごとにどんどん上がっていくが、全ステージをクリアして無くても通常のエンディングまではたどり着けるのでパズルが苦手でもある程度楽しめる。さらに終盤では予想を裏切るようなぶっ飛んだギミックが登場。脳が揺さぶられるような映像体験に見舞われることうけあい。
とにかくブロック押し+論理パズルという組み合わせが斬新で新鮮。ただ総当たりで進めるだけではなかなかクリアできず、じっくり考えて回答を導き出さなければならない硬派なゲーム性。難しいステージでは毎回画面の前で腕組みしながらああだこうだ言っている。
その分上手くクリアできたときの気持ちよさもひとしお。まさにパズルゲームはこうあるべきという見本のようなゲーム。
うっかりハマって連続プレイしすぎてしまい、頭を使いすぎて眠くなったりやたらとお腹が空いたりといった現象が起きているほど。現在は全ステージクリアを目指してがんばっている。
パズルを解くことも楽しいけれど「コレとコレを組み合わせたらどうなるんだろう」といろいろ試してみることそのものがまず知的に面白い。そのせいで逆に簡単な解き方を見逃してしまったり。その点マインクラフトのようなサンドボックスゲームにも似ている。マリオメーカーならぬ「Babaメーカー」があったら面白そう。
「YOU」を動かして操作キャラをコロコロ変更しているとだんだん「自分ってなんだ?」という思念が湧いてくる。もはや哲学の領域。
さらにブロックでルールをいじっていると、まるで自分が神様になって因果律を自在に操っているような気分にもなれる。しかしパズルの方はどんどん難解になっていくので、あまりにルールをいじりすぎてわけがわからなくなったりもする。案外神様も大変なのかもしれない。
攻略のコツはとにかく発想を柔軟にすること。ルールを書き換られるということは、プレイヤーのアタマの方もそれに対応していかなければならない。
特にオブジェクトの見た目による固定観念を捨て去ることが重要。ネタバレ防止のために全く別のものに例えて言うなら、「カップにコーヒーを注いで飲む」のではなく「コーヒーに注いだカップに飲まれる」みたいな方法が唯一の攻略法だったりする。何を言っているのかわからないかもしれないけれど、やってみればわかる。ほんとに。
英語やプログラミング的思考の訓練にもなりそうなので子どもがプレイするのにも向いているだろう。キャラクターもドットでかわいいし音楽もポップかつ落ち着いていて集中しやすい。ぜひ日本のSwitchでも配信すべきと思うがブロックの単語を翻訳して表記するのが大変そうなので時間がかかるかもしれない。
あえて気になる点を挙げるなら、単語ブロックそれぞれの挙動に関しては手探りで調べなければならないことが多いため、その点では論理パズルというより「ゲームの仕様を把握するゲーム」というような側面が強い。ブロックを並べ替えるのにも時間がかかるので、それを面白いと感じるかは人によって分かれるかもしれない。
最初に買ったゲームが面白すぎて気がつけばSteamセールが終わりかけている。まだ1本しか買ってないのに。
とりあえず次は「VA-11 Hall-A」あたりを買う予定。「Return of the Obra Dinn」もやりたいけど10%しか値引きしてないので今回は見送りかなー。といったところで今回の記事は終わり。