rh日和(仮)

モノ、ゲーム、PCなどについてのブログ。

基本無料の格闘ゲームの可能性、および格闘ゲームがコミュニティに受け入れられる条件などについての随想

 基本無料の格闘ゲームはヒットするだろうか? ということ始めてからダラダラといろんなことを考えてしまったのでここに置いておく。



 現在開発中のLOLの格闘ゲームが基本無料だ。それがヒットすれば後追いするところも出てくるかもしれない。

 ただ後追いが出るとしても日本ではなくアジア圏のメーカーになるだろう。ゲームに力を入れている中東あたりから来る可能性もあるのだろうか。

 そうなった場合、格闘ゲームの基本無料化どうこう以前に、それらが既存の格闘ゲーム的な文脈をどれほど継承したものになるかが気になる

 今自分が漠然と「格闘ゲーム」と言っている時に、それが含んでいるのは、「ストリートファイター2を起源とした、アーケードシーンを経由した格闘ゲーム」を意味している。

 自分はゲーセン勢ではなかったし、ストリートファイターシリーズこそ至高だと考えているわけでもない。

 それでも自分が格闘ゲームのことを思う場合、それはスト2ライクのことであるし、ゲーセン文化やEVOといった大会文化と無縁ではない。

 例えばLOLの格ゲーが大人気になったとして、おそらくPC版がメインハードとなるそれを自分はどこまで格ゲーと認識できるのか。

 あるいは全く別の新規メーカーがLOL格ゲーライクな格ゲーを作ってそれが人気になったら?



 という仮定は実際のところあまり意味のないものなのかもしれない。

 なぜなら自分にとっての格闘ゲームは、「既存の格闘ゲームコミュニティに受け入れられているもの」のことだから。

 それがどれほど格闘ゲームの歴史と伝統に忠実なゲームだったとしても、既存の格ゲーコミュニティで対戦が起こっていなければ、格闘ゲームとして受け入れられない。

 それはある種の保守性かもしれないし、そのような構造がストシリーズを長らく「覇権ゲーム」たらしめていた側面はある。

 とはいえそれが、対戦相手が存在しないと成り立たない、対戦ゲームである以上、仕方ないことでもある。すなわち、流行ったゲームが良いゲーム、という傾向が1人用ゲームよりもずっと強い。



 どのような格闘ゲームが既存コミュニティに受け入れられやすいか。

 まず「初動でコケない」ことが大事。最初のバージョンの出来が悪かったり、大きなバグがあると、悪評が定着して人が減ってしまい、その後いくらアップデートなどで改善されても人が戻ってこない。

 既存のゲームに似た要素があるほうがプレイヤーは受け入れやすい。自分の観測範囲だとスト系、KOF系、アーク系、マブカプ系、メルブラなどなどの派閥がゆるく存在し、相互に行き来しながら、続編や、既存タイトルに似た要素を持つ新作へ移り渡っている印象。時に異なる派閥のプレイヤー群が同じゲームに集まり、より大きな盛り上がりになることもある。

 逆に言えば、既存の格闘ゲームとの差異が大きすぎると既存プレイヤーはなかなか移住してこないか、しても定着しにくい。新しいからこそ全く別の勢力がそこから現れることもあるのが面白いところではあるが。

 初動の失敗をある程度ブランド力でカバーできることもある。ストVの初期はお世辞にもいい出来とは言えず、あれが新規タイトルだったら結構マズかったと思われるが、プロシーンが引っ張ったおかげもあって持ち直した。

 一方ストリートファイタークロス鉄拳は、大きなネームバリューがあったにも関わらず、初期の問題点のせいもあってメインストリームにはなれなかった。おそらくスト勢にとってはストⅣという「戻る場所」があったこと、2D格ゲーだったこともあって鉄拳勢があまり呼び込めなかったことが要因だろう。




 だいぶ話が逸れたが基本無料の話に戻ろう。

 格闘ゲームが今流行りの基本無料対戦ゲームのように、スキン課金で成り立つゲームとしてリリースされるビジョンはちょっと見えない。

 ただそれも既存の仕組みに慣れすぎた先入観のせいかもしれない。もしかしたら若者がメカ豪鬼スキンとかを引くためにガチャを回す時代が来ないとも言い切れない。果たしてそれが望ましいことなのかは別として。

 おそらくもうすぐ出るストリートファイター6も、さすがに基本無料にはならないと思われる。でも特に根拠はない。おそらくまだ価格は発表されていなかったハズ。淡い期待を持ちながら発表を待ちたい。