CRカップを見て『ストリートファイター6』を始めたくなった人に伝えたいことを考える。
本当は自分のような格ゲー年長者が出る幕じゃあないことはわかっている。しかも自分がストリートファイターをそれなりにちゃんと対戦するようになったのは前作『スト5』の頃からで、まだ5年くらいだし。
しかしあまりに大会が素晴らしかったので、自分の中から感情が湧き出てきて、それを言葉にしたくなってしまう。誰かに迷惑をかけるわけでもないので書いてしまうことにする。
大会を見て、格闘ゲームって、なんだか良さそうだな、と思ったその気持ち。まずはその気持ちを大切にしてほしい。
実際にゲームをプレイすれば、たとえほんのちょっとのプレイであっても、ゲームのことがわかるようになってくる。すると試合を観戦するのがずっと面白く身近に感じられるハズだ。
大会の練習配信で、プロゲーマーがコーチングしている話の内容も、何割かは理解できるようになる。それを参考に練習すれば、実際に自分も上達できるかもしれない。
じゃあコーチングしているプロゲーマーは、コーチングの内容を、他の誰かから教わったんだろうか?
そうではなくて、基本的にプロレベルのプレイヤーは、自分でプレイしたり他人のプレイを見る中で、自力で攻略を編み出している。もちろん他のプレイヤーから攻略情報を聞いたりすることもあるけれど。
自分のための攻略法を自分で編み出すことができる。格闘ゲームは他の対戦ゲームと比べても、そういった要素が強いと個人的には思う。それができるようになると、他のゲームでは味わえない楽しさを味わえる。
格闘ゲームは正直言って結構「変なゲーム」なので、初めてプレイして自分に合わないなと思っても、あまり気にしないでほしい。
長い年月の中で増えていった「お約束」がいっぱいある。特に普段ゲームをしない人は戸惑うことも多いだろう。
強いキャラ、弱いキャラ、初心者向けのキャラ、みたいな情報も気にしなくていい。自分の使いたいキャラを使いたいように動かせばいい。仕事や勉強や習い事ではなく、ゲームなんだから。
コントローラーも、手元にあるやつをそのまま使えばいい。本邦にはなにかと「正しい形」にこだわる人が多いように見えるが、そういう細かいことは後から気にすればいい。
努力して練習して上達すること。そして練習したことを実戦で発揮する勇気。それを大会を通してプレイヤーたちが見せてくれた。それらは格闘ゲームの最良の部分である。
それを実際に目撃したのであれば、あまり多くの言葉は要らないハズだ。ぜひ自分の身体で、格闘ゲームの世界を体験してみて欲しい。