rh日和(仮)

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スト6日記 キンバリーの立ち回りの軸はスライディングかもしれない、という話

【Steamキー】ストリートファイター6|オンラインコード版

 『ストリートファイター6』の話。キンバリーの立ち回りについて。

 いろいろキャラを試したが、結局クラシックキンバリーに落ち着いた。発売初期は疾駆けスラを当てて起き攻めに技を重ねていればそれなりに勝てていたが、さすがに対策されてきてそんなに簡単ではなくなってきた。

 そこで困ったのがどうやって相手に近づくか、という問題。

 確かにキンバリーは接近技を数多く持っている。4つの派生を持つ疾駆け。そしてワープ技の彩隠形。

 しかしどれも近づいてからどうこうする技であるがゆえ、しっかり待たれると見てから弱パンチなどで対処されやすい。しかも全キャラが共通システムとしてアーマーのあるドライブインパクトを持っている。キンバリー側には投げの選択肢もあるが、疾駆けの派生技の大半がインパクトを取られてそこから大ダメージなので、リターン差を考えると迂闊に打てない。

 なので接近技だけでキンバリーの立ち回りは成り立たない。今のところ本作でそれが許されるのは頭突きの神に愛されたジャパニーズ・スモウ・レスラーことエドモンド本田だけである。



 キンバリーはドライブラッシュの性能も実は全キャラトップクラス。メチャクチャ速いDJやメチャクチャ長いジュリの影に隠れがちだが、速さ、長さともに平均より高性能。ラッシュしゃがみ中Kは有利フレームが長い下段として強力な選択肢。

 しかし疾駆け対策がそのままドライブラッシュ対策にもなってしまうという、メタ的な面での弱点を抱えている。というか自分がキンバリーと対戦する側になったら、どうやって接近を止めるかを第一に考えるに決まっている。



 ジャンプ攻撃もキンバリーの長所である。ジャンプ中K、ジャンプ強Kは判定に優れ、ジャンプ下中の「肘落とし」で着地位置をズラすこともできる。

 しかし強いと言っても通常技の範疇なのでそこまで抜きん出ているわけでもない。肘落としを警戒した相手は空対空を狙ってくる。そうなるとどっちが空対空を当てるかの運ゲー状態になり、火力で劣るキンバリーには不利。本作で気ままに上から攻められるのは尻の神に愛された(中略)本田くらいである。

 以上から、キンバリーもちゃんと地上戦をしなければならない、という結論に達した。



 そうなってくると問題になるのがリーチの短さで、立ち中K、しゃがみ中K、しゃがみ強Kなどは、技単体として見れば比較的優秀ではあるが、絶対的なリーチの短さは否めない。

 なによりそれらを使って普通に地上戦するのではリュウ、ケン、ルークといったいわゆる道着キャラ、あるいはキャミィのような近中距離特化キャラなど、地上戦が得意なキャラの下位互換にしかなり得ない

 どーすりゃええねん。と頭を抱えたところで気づいた。こいつスラ持っとるやん。そう、3中Kで出る「水切り蹴り」の存在に。

 いや、もちろんスライディングキックを持っていることは最初から気づいていた。過去作にいた同じ武神流のガイや是空もスラを持っていたし。

 でも前作の是空の足払いと比べると、当ててもダウンを取れないし、近距離だとヒットしても不利になるので、あんまり強くないなぁと考えていた。ものごとの悪い面しか見ない。愚かなことである。



 実際はキンバリーのスラもかなりの強みを持っている。

 まず他の多くのキャラが持たない低姿勢技を持っているというだけで強い。立ち牽制に強く、飛び道具もくぐり抜けられる。

 さらに前作より優れたポイントとして、先端を当てればガードされても確定反撃が無い上に、確反を取られない距離が長めなのが、そこそこ気軽に振ることができる。

 そして先端ヒットすればコンボに行ける。今作はパニッシュカウンターでコンボ猶予が大きく伸びるので、実戦だと思ったよりコンボに行ける場面が多い。

 発生が早くリーチが長いため、差し返し技として非常に優秀なのは過去作と共通。うかつな牽制技を振りにくくする抑止力として機能する。今作は技を振った後の硬直が全体的に長めに設定されているのも追い風要素。ちゃんと下段なのも良い。

 前作のスラは「当たったらダウンさせて起き攻め、ガードされたら反撃確定」というピーキーな性能だったが、今作では間合い管理と差し返しの技術が問われる技となり、よりプレイヤーのやりこみがダイレクトに反映される良調整になっていると言える。ほんとスト6、よくできてる。



 スライディングを混ぜることで、ようやく地上戦がやりやすくなってきた。決してリターンがある技ではないが、歩いたり技振ったりするのをちょっと控えないな、と思わせるだけで絶大な効果がある。そこでようやく疾駆けが活きてくるからだ。

 前作における疾駆けの最強の派生技は「急停止」だと考えていた。いつでも止まれる。ブランカのローリング強弱のような変化を、より柔軟に行える。

 今作もいろいろ試してみたが、やっぱり急停止が一番のカギであることは変わりないという結論に達した。

 なによりランクマッチなどでは相手の疾駆けに対する対応を見ることが出来る。垂直飛びする相手には対空、インパクトを置く相手は投げてもいいし、インパクト返しできるとなお良い。

 上にも書いた通り、疾駆けの最大の対策は「見てから小パン」。影すくいのタイミングでしゃがみガードして、その後技を振れば全ての派生を潰せる。ハズ。

 しかしそれを狙う相手は、必然的に地上の相手(キンバリー)を見ながら待つことになる。そこで飛びが有効になる。ジャンプ中Kと肘落としの表裏が通るようになるのである。疾駆けも対空も見出した相手は地上戦がかなりおろそかになるハズなので、立ち中Kラッシュで択を仕掛けたり、直接ダッシュ投げにいけるかもしれない。

 普段は通常版の疾駆け→急停止で牽制し、ここぞという場面の「本命の疾駆け」はOD版で出せるとなおよい。試合終盤でいきなりOD疾駆け投げを出すとタイミングの違いもあってよく当たる。

 彩隠形は、飛び道具主体のキャラに対しては抑止力として大いに機能するが、単純に接近する技としてはやはりそこまで強力ではない。疾駆け対策がそのまま機能する上に、後ろに下がられると投げが通らないので択にならない。奇襲効果としては疾駆けスラのほうが強い印象。画面端の相手に対して固めに織り交ぜるのがいちばん強い使い方かもしれない。



 ついでに対空について書いておくと、モダンを使っていた頃はワンボタン武神旋風脚で事足りたが、クラシックにしてからは強武神旋風脚を出すと発生前に潰されることが増えたので、弱旋風脚に変えた。モダンってやっぱり強みあるんだな、と再認識した次第。