rh日和(仮)

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スト6日記 モダンタイプとの対戦が面白くないと感じるのは「不自由さ」のせいではないか、という話

【PS5】ストリートファイター6

 『ストリートファイター6』の話。これまで散々、モダンタイプを推奨する記事を書いてきた。

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 そこにはある程度「みんながモダンを使えば平等になるだろう」という意図も含まれている。

 実際のところ、自分はモダンタイプの全てに対して諸手を挙げて肯定しているわけではない。大抵のものには良い面があれば悪い面もあるもの。

 モダンと対戦していて「面白くない」と感じてしまう人の気持ちも多少わかる。「ちゃんとやれば面白いよ」とも考えているが、ちゃんとやるためのハードルは確実に存在している。



 不満を抱える人の原因は、やはりワンボタン対空技、ワンボタン無敵技の存在だろう。

 これによってジャンプ攻撃が通用しにくいのはもちろん、他にも「ある種の技」が「特定の状況」においてほぼ「出すだけ損」な技になってしまっていると感じる。

 今自分が使っているキャミィで言うと、「フーリガンコンビネーション」をワンボタン対空技持ちのモダン相手に普通の立ち回りで出しても、かなり簡単に対処されてしまう。派生が少ないモダンキャミィのフーリガンはより簡単に対処されがち。

 実際のところそういう技は、使い所を考えればモダン相手でも十分運用可能なのだけれど、クラシック相手には気軽に使えていた技がモダン相手だと使いにくくなることに不自由を感じてしまう人がいるのは仕方ない。

 例えばマリーザのファランクス先端当てを立ち回りで狙う、というような運用も、弱や強を出し分けたり他の技も混ぜたりすればモダン相手でも有効ではある。しかしより慎重な使い方が求められるのは間違いない。

 プレイヤーに不自由な印象を与えてしまうことは、例え対戦ツールとして必要なことであっても、単にゲームとして見た場合にマイナス要素なのは否めない。

 前作ストリートファイターVには「初心者同士で使うとめちゃくちゃ強いが、上級者にとっては対処が簡単なのでほぼ死に技」みたいな技が結構多く存在していて、正直あまり良い設計ではないと感じていた。

 それと似たように、モダンとの対戦では「この状況では死に技」というような技が、少なくとも印象としては増えてしまっている。



 なおモダンのせいで待ちが強い「待ちゲー」になるという意見もあるが、これは半分正解で半分間違いではないか考えている。

 たしかにモダンは上記の理由で特定の技に対して対処がしやすい。バーンアウトしてもワンボタンSAで切り返しやすいという明確な「待つ上での長所」もある。

 ただこのゲームには「パリィドライブラッシュ」や「キャンセルドライブラッシュ」がある。

 連携に近距離からのパリィラッシュを混ぜたり、中足キャンセルラッシュしたり、といった強力な接近行動から有利な択が用意されている。

 しかも待てば待つほどお互いのドライブゲージがたまり、これらの攻めを使いやすくなる。

 そのようなゲーム性で、極端な待ちゲーが成立するとは今のところ考えにくい。個人的にはもうちょっと前進行動と後退行動のゲージ増加量に差をつけたほうが攻めゲーになって面白いと考えているけれど。



 もうひとつの問題としてワンボタン必殺技、ワンボタンSAのダメージ量の問題を感じている。

 ワンボタン技のダメージが下がるという調整は、対戦バランス面では大いにプラスに働いている。

 しかし単純に火力が下がったことによって単純にモダンタイプの対戦時間が延びてしまっている可能性がある。

 実際に統計を見てみたら他の要因によってむしろ対戦時間が縮んでいる可能性は無いとは言えない。

 しかしここでも印象の問題が出てくる。長いSA3などを喰らっている時に、ワンボタン版ゆえにダメージが減っていると、間延びして感じてしまう。少なくとも自分は。

 ここでも対戦バランスのために対戦のテンポ感というプレイヤー体験が犠牲になっているのではないか。

 いっそワンボタンSAはダメージだけでなく演出時間も短くして、ついでにドライブゲージの回復量も減らせば、スピード感と公平感が出て印象が良くなるんじゃないだろうか。



 少々話が逸れるが、モダンのプレイヤーが増えない要因として、やり込もうとしたときの操作難易度が高いせいなのではないかと考えている。

 そしてその原因はほぼ全てアシストボタンの仕様に集約されている。

 アシストコンボ自体は連打で出せるのでとても簡単に誰でも使いこなせる。

 しかしアシスト技と非アシスト技を的確に使い分けようとしたとたんに、難易度が跳ね上がる。

 押している間だけアシスト版の技が出る、という仕様がアクションゲームとしてかなり非直感的だからだ。

 これが単なる「アシストボタンと他ボタンの同時押し」であれば、既存の格闘ゲームと同じ入力であり、大きな問題はなかった。

 しかし例えばアシスト通常攻撃などを先行入力する際には技が出るまでアシストボタンを押しっぱなしにしていなければならない。離すのが早すぎると通常版の技が出てしまう。

 さらに「アシスト通常技→通常技→ODワンボタン必殺技」といった連携をする際はアシストボタンの「押す→離す→押す」を正確なタイミングでやらなければならない。ハッキリ言ってかなり難しい。

 どうも制作スタッフはアシストボタンの使いこなしを「やりこみ要素」として用意したようなフシがある。しかし他の様々なゲームと比べてもかなり特殊なアシストボタンへの習熟を要請することが、果たして格闘ゲームのモダン(現代)に必要だったのか。正直まだ100%の納得はできていない。

 そもそも全部のキャラをモダン基準に調整していればもっと簡単に操作できたハズ

 アシストボタンを押しても押さなくても出る通常技は同一にし、押したときだけコンボを自動で繋いでくれる、という仕様であれば、少なくともアシスト通常技の使い分けは不必要だっただろう。

 そうしなかった理由は、過去作からのキャラの技構成を大幅に変えなければならず既プレイヤーに違和感が生じる可能性があったり、クラシックとのバランス調整がより難しくなったり、といった要因があったのかもしれない。



 今後出るDLCキャラの中に、通常技とアシスト通常技の使い分けが不要なキャラがいたら良いな、と思う。それなら初心者にも安心してモダンタイプを勧められる。前作でコマンド不要だったエドが適任かもしれない。

 ただ自分がモダンタイプ使い続ける中で慣れればなんとかなるかも、という感触もある。

 なのでモダンタイプについての結論を出すのはまだまだ早い、ということになるだろう。